顧客とエージェントの問合せフロー

こんな風に困ったこと、ありませんか?

先日、銀行のアカウントにログインしようとしたところ、ロック状態になっていました。
ログインに失敗したことは一切なく、もちろんロック状態のままで放置してもいません。

第三者が偶然私のアカウントIDを使い、何度かログインに失敗したと想像してコンタクトセンターに問い合わせをしました。

もし、第三者が関与したのであれば、パスワードを変更しても再度同じことが繰り返されることを懸念して、
第三者によるアクセスの有無と、どのように処理したら良いのかを確認しました。

一つ目の窓口の回答は、
・アクセスログの確認はできない(理由不明)
・口座の状態(ロックされているか)の確認はできない
・パスワードを変更してください
でした。
これ以上のことはわからないので、別の窓口で確認するように言われました。

二つ目の窓口でも、アクセスログの確認はできませんでしたが、口座の状態(ロックされている)は確認できました。
なお、パスワード変更以外の対応ができるかはセキュリティ対応窓口で確認するように伝えられました。

三つ目の窓口のセキュリティ担当者は、パスワードを変更しても第三者に同じことをされることを理解してくれましたが、そのための対応については解決案がなく、支店の窓口に行って処理するしかないことを伝えられました。

支店で行員の方から生体認証を勧められ、第三者の介在は困難になるとのこと。
15分程度で生体認証の登録からロックの解除まで行ってもらい、懸念は解消されました。

今回の件で、それぞれの電話対応窓口では次のことが不足していたと想定しました。

■ 対応窓口でできなかったこと
・一つ目の窓口:口座の状態(ロックされているか)の確認でできなかった
・一つ目の窓口:懸念事項(第三者により同じことが繰り返される)は理解されなかった
・全ての窓口 :生体認証は紹介されなかった(知らなかった?)
・全ての窓口 :生体認証処理はできなかった(知らなかった?)

■ 対応窓口で不足していたこと
・一つ目の窓口:スキル(依頼事項の理解)、権限(口座状態確認)の不足
・二つ目の窓口:知識(対応策について)の不足
・三つ目の窓口:知識(対応策について)の不足

一つ目の窓口に支店窓口と同じ知識や権限、ツールがあったとしても、依頼事項を理解してもらわなければ問題の解決はあり得ません。
この時点で客との間でトラブルが発生することが多いのではないかと想像しました。

ここで顧客とエージェントの問合せのフローについて考えてみました。

1.お客様の質問のヒアリング/解釈
2.お客様と質問内容の合意/共有
3.質問に関する回答の検索
4.表示された回答の確認/理解
5.お客様に回答(説明)
6.お客様と回答内容の合意/共有

今回のケースでは、お客様の質問のヒアリング/解釈、の場面ですれ違いが発生しました。
最初の場面でのすれ違いは客は苛立ち、エージェントは焦る。
おそらくその後の会話はほぼ成り立たないと思います。

エージェントのスキルや最近のAIによるFAQ対応技術は日々進化していると思います。
『解釈』に寄与するAIで、客との『合意』にスムースにつながることを期待します。