方々で紹介されていますが、ここ数年の調査ではおよそ7割のお客様がセルフサービスを利用しても解決しないために電話での問い合わせに至っているそうです。米国でもそのようです。
なぜ、セルフサービスで解決に至らないのでしょうか。
セルフサービスの技術やUIは進化している
FAQでは類似語を含むあいまい検索で一言一句合っていなくても該当する回答の候補が表示され、チャットボットではメニュー表示や口語体での検索が可能になるなど、検索技術もUIも格段に進化しています。
お客様が理解しやすい言葉や、図、動画を交えてわかりやすく、コンテンツにも工夫が施されています。
提示された解決策には対象となる候補が含まれ、正確な情報であるはずです。
些細なことで解決に至らないことが
○○○○○というサービスを申し込むため企業のサイトで検索すると、図1で回答が表示されました。
① 図1の回答にしたがってログインすると図2の「ログイン後の画面」が表示されましたが、回答である図1には図2の「ログイン後の画面」の画面説明がありません。
② 図2の「ログイン後の画面」には「すべてのメニューを見る」が見えません。
③ ログイン後の画面の左のサイドメニューの上部に、「○○○○○ ⇒」が表示されています。
④ 図2の「ログイン後の画面」のウィンドウサイズを大きくすると図3となり、最下行に「すべてのメニューを見る」がありました。
「すべてのメニューを見る」ではなく「○○○○○ ⇒」をクリックしたことが誤りで、図1のこの回答は正解です。
しかし、回答の中に図4のように「ログイン後の画面」【PC画面1】の図解もあれば間違えませんでした。
現在も回答は図1のままです。
完璧に回答に導くWEBサイト構築は無理
こんな誤解や間違いもあってセルフサービスで解決しないことが多くあるのではないでしょうか。
普段使っているパソコン/OSとセキュリティソフトでわからないことを検索すると投稿サイト(コミュニティサイト)に至ることが多々あります。
分かりやすく、過去の経験ではほとんど解決に至っています。
思考回路が異る何千人、何万人、何十万人の人たちがアクセスするWEBサイトにそれぞれの人達がたどり着くセルフサービスを作り上げることは至難の業です。
人間の知識の進化
書籍に人間の知識蓄積からその活用と解決に至る(知恵)進化が所々に記載されていました。
(出典:進化を超える進化)
正確なコピーで進化する文化(チンパンジーを例に)
あるチンパンジーはナッツの殻を石で叩いて割ることができる。別のチンパンジーはこの文化を学び、実践する。どんな石を使っても、どのように叩いても、結局ナッツの大半は割れるが、もっと効率的にナッツを割るには、石の種類や形を選択したり、石を加工したりする必要がある。それは作業の段階が増えることを意味し、それぞれの段階は正しい順序で正しく記憶され、別のチンパンジーに伝えられなければならない。教わったチンパンジーは、同じく段階と順序を他の仲間に正しく伝えなければならない。時間が経つにつれて、修正がなされナットクラッカーになり、新たな段階が追加されたりして、ついには最新のくるみ割り器が誕生する。遺伝的な進化と同様に、文化も正確にコピーされて初めて進化する。うまくいった修正は正確にコピーされて伝承され、やがてまた新たな修正が加えられる。チンパンジーはそれが下手だったが、わたしたちはそれが得意だ。
文化的知識の蓄積(火起こしを例に)
霊長類の文化的な行動はシンプルで、賢い個体なら、自分で思いついたり改善したりできるだろう。しかし、火起こしは多くの段階があり、複雑だ。100万年以上前の集団の文化的道具箱には、火起こしから道具作りまで多様で複雑なスキルが収められており、それは一人のホミニンが一生のうちに思つけるようなものではなかった。彼らは互いから学び、練習を重ね、詳細を記憶して、文化的知識を蓄積していった。つまり、人間の文化は常に形成され、進化し続け、祖先たちの脳はそうした文化を学べるように進化していったのだ。
社会的活動で報酬を受ける欲求
ある神経回路は、社会的接触をするとオキシトシンやドーパミンという「報酬」が得られるようになっており、その報酬につられて、わたしたちは再び社会的な活動をしたくなる。逆に、社会的な拒絶は苦痛をもたらし、脳内では身体的な苦痛を受けた時と同じ反応が起きる。
協力者を見分ける
種が生き残るには協力が欠かせない。ある実験によると、人間の子どもは生後三ヶ月という早い時期から、非協力的な人形より協力的な人形を好み、そのわずか数カ月後には、非協力的な人形を「罰する」ようになる。このように、性格を判断する能力が早くから備わっているのは、一つには、霊長類の中で唯一、人間の子どもは日常的にさまざまな人に世話されるので、誰を信用し、誰から学ぶべきかを早くから見分ける必要があるからだ。
集団脳
わたしたちは、食べるもの、着るもの、基本的な道具など、日常の必需品を見ると、いざとなったら自分で作れると思いがちだ。なにしろ人間は地球で最も知的な動物なのだから。しかし、わたしたちをここまで導いたのは、個々人の賢さではない。
人間は道具によって身体能力を拡張し、問題解決に必要な認知的コストは集団の知性に委託してきた。
人間はテクノロジーのおかげで、きわめて有能な地球の操縦者になり、今では指一本でキーを叩くだけで、莫大なエネルギーを利用できるようになった。では、人間は何を使っているのだろう。脳だろうか?イエスでもあり、ノーでもある。この貧弱な霊長類を頂点に押し上げた物理的なテコは、認知的なテコと結びついている。そのテコとは、社会の集団脳だ。人間は、火起こしから調理まで、道具、行動、技能を社会の集団脳に頼り、生き残りさえも頼っている。
コミュニティーサイト
協力者なしでは人間は生きていけないし、正しい協力者を見極める能力が備わっている。
経験し、そして得た知識や知恵を正確に伝え、そして報酬を得る。
コミュニティサイトに当てはまると思いました。
わからなかった人が解決できた経験、困っていたこととそれを解決できたことをコミュニティーサイトへの投稿、そして次にわからなかった人たちが解決に至る、投稿した人は感謝を伝えられたことで報酬を得る、まさに人間の進化の過程を辿るものではないかと思います。
今2回目を読み始めましたが、良い情報があったら続けます。
終わり